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小池アミイゴ

五戦四敗一分六ゴール

2025

小説すばる2025年2月号に掲載の南木義隆氏の小説「五戦四敗一分六ゴール」の挿絵を、前回の2023年のすばる10月号に掲載された「ファンタジスタの担うもの」に続いて担当しました。 「五戦〜」も「ファンタジスタ〜」も女子サッカーの世界を描いているんだけど、サッカーのプレーの描写がめちゃくちゃ巧み。 幾人もの登場人物がコミカルにイキイキと描き分けられ、その行間に優しさや哀しさと希望が絡み合ってるのも素晴らしい。 前回では女子高生の百合な関係が品よくみずみずしく描かれ、今回は脇役の地雷系ファッションに身を包むOLが、コミカルだけどしなやかな人ととして愛を持って描かれていて、ほんと1人ひとりが愛しい。 主人公は強烈ライバルに負けサッカーを諦めたが、しかし「挫折し切れず」なフワッとした状態でいる。そこから自分の足元を確かめチャレンジに変えて行く姿が「描きたい!」 と思わせてくれるんよね。 じゃあその姿は?小説の中ではマラドーナにスッポンマークし続けたイタリアのDFジェンティーレに似たプレースタイルと書かれているけど、ジェンティーレ長身でヒゲのおじさんだからな〜。 自分はなでしこジャパンのDF北川ひかるさんを想起。 海外で活躍するスーパーなプレーヤーだけど、石川県出身者として能登半島地震に心を砕く姿が、今オマージュするべきだなあ〜と。 しかし南木義隆さんは女性の描写が巧みだなあ〜と、今回調べてみたら、"百合文芸小説コンクール"で "ソ連百合"名義で「月と怪物」で入選。かなり界隈を騒がせた方だと。 なるほど! 南木を「なんぼく」と発音1991年生まれの作家。面白いなあ〜。 珍しくトリミングを細かく指定したのも上手くハマったはずの仕事。 最後となりますが、地雷系ファッションの女子、描いていて楽しかった。

クライアント名 : 集英社

関連サイト : 小説すばる

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