COLUMN
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イラストレーターのビジネス知識

2020.11.02

著作権のことをもっと知ろう 第9回

Qイラストレーションを含めWEBにアップされた画像は誰でもコピーできてしまいますが、WEB上の著作物に関する法律を教えてください。
AWEB上の著作物に関連した権利として、複製権や著作者人格権、公衆送信権などがあります。
WEB上には、イラストレーションはもちろん、小説、動画、音楽といったさまざまな著作物が流通しています。WEB上の著作物に関する法律としては、著作権法の他に商標法、不正競争防止法、意匠法などが関連しますが、ここでは著作権法上の権利について説明します。

あるイラストレーターのイラストレーションを第三者が勝手にブログにアップロードした場合、著作権法上どのような権利侵害が生じるでしょうか。まず、インターネットを利用していますので「公衆送信権」の侵害が生じます。公衆送信とは、公衆(不特定人もしくは特定かつ多数人)に対して、無線(インターネット、ラジオなど)または有線(ケーブルテレビなど)で送信することをいいます。また、サーバーに情報をアップロードして誰でもインターネットを利用してその情報にアクセスできる状態にすることを「送信可能化」といいますが、この送信可能化も公衆送信権に含まれます。したがって、第三者の行為は、イラストをブログにアップロードすることにより、誰でもアクセスしてイラストを見ることができる状態にしていることから、公衆送信権の侵害となります。

また、第三者の行為はサーバーにイラスト画像をアップロードする時点で画像を複製していることから、複製権侵害にも該当します。複製権について、「私的使用のための複製は自由である」とされていますが、ブログは不特定多数人のアクセスが可能で、実際に不特定多数人からのアクセスが予想されますので、もはや「私的使用」とは言えないと考えます。さらに、第三者がイラストに手を加えてアップロードした場合、翻案権や同一性保持権(著作者人格権)等の侵害も問題となります。

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