Yukiko Ninomiya
二宮由希子

美しい文字 (2007年TIS「人間がこれを作った」展より)

コミュニケーションの手段として生まれた「文字」に、人間は美しさを求めるようになりました。 この髭モジャのおじさんは、ウィリアム・モリス(1834-1896)。家具をつくり、壁紙をデザインし、生活を美しいもので満たそうとしたイギリス人アーティストです。詩を愛するロマンティストで、大酒飲みの癇癪もち、親友に妻を寝とられたりと、愛すべき変人でしたが、美にかける情熱は人一倍。晩年、小さな出版社ケルムスコット・プレスを立ちあげると、細部まで神経のゆきとどいた理想の書物を死ぬまでつくり続けました。そんなモリスの姿と、彼がデザインした書体のひとつ、「チョーサー体」を組み合わせてみました。

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