COLUMN

この仕事、好きだなぁ

2014.07.11

歌川国芳さんの仕事「忠臣貞婦 伊呂波文庫」(熊井正)

→「忠臣貞婦 伊呂波文庫」作品は、こちらをご覧下さい。


江戸時代の本を手にしてページをめくると、えもいえぬ気分と高揚感があります、江戸時代の人が同じこの本を手にして読んでいたのかと思うと。そしてページに埋め尽くされた文字と絵にさらなる高揚が高まります。和紙に木版で表紙は多色刷りで本の広告なども入り造本された本の、時代を経た和紙の柔らかなで腰があるけれどちぎれそうなページを慎重にめくるときのその所作がなんとも心地いい。絵の余白を埋めるように描き込まれた文章。このページのデザインは格別。たぶん限られたページ数をいかに工夫して使うかということで、絵の余白に文章を入れたのだろうと思うのですが、活字じゃない手書きの文字は木版で彫り刷られ文字と絵が混然とそして融合、ほかでは見る事のできない有機的な本のデザイン全体が、えもいえぬ高揚感を感じさせてくれて好きなのです。

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