東京イラストレーターズ・ソサエティ - Tokyo Illustrators Society

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祖田雅弘さんの仕事「鉄道のイラストレーション」(木内達朗)

2016.07.20

  • この仕事、好きだなぁ
今回は僕がいいなあと思った祖田雅弘さんの鉄道の絵を3点取り上げたいと思います。
祖田さんは、子供の頃から絵が好きで、一度は会社員になったものの、やはり絵に関わる仕事がしたいと思い学校などに通い始め、イラストレーターを目指すようになったそうです。

僕自身も鉄道はモチーフとしてはなかなか面白いと思っているのですが、祖田さんはどうだったのでしょう?好きなモチーフについてなにか一言あったらお願いします。

鉄道がすごい好きというほどではありませんが、なぜか描くのは好きですね。父親がJR(昔は国鉄と言ってましたが)に勤めていたからかもしれません。ジェイ・ノベルで描いた、ブルートレインはヘッドマークも含めてとくに好きでした。好きなモチーフは風景ですが、これから人物を絡めたものを描いていきたいです。

祖田さんの仕事は、どちらかというと線ありきという印象を持っています。今回の3点の技法について教えてください。

3点とも切り絵です。ジェイ・ノベルは全てアナログで、残りの2つは、アナログでほぼ仕上げたものをデジタルで少し加工しています。切り絵というシンプルな表現で、鉄道の持っている郷愁のイメージを描きたいと思い制作しました。


デジタルで加工した部分というのは、具体的にはグラデーションでしょうか?

そうですね。ここをもっとこうしたいな〜というような感覚でやっているのですが、まず構図を微調整してから、色やコントラストを調整します。そのあと全体的な空気感みたいもの出したくてグラデーションやノイズなどフィルタを部分的、あるいは全体的に少し加えたりして試行錯誤してます。アナログな部分を残しつつデジタルで完成度を上げるイメージで制作しています。


切り絵でやってみようと思ったきっかけや、なにか理由がありましたら教えてください。ちなみに今でも切り絵をやってますか?リクエストがあればやるという感じでしょうか。

もともと色面構成の絵が好きで、様々な作品を見てきました。絵の具を塗った紙を切り出すのは、マティスやカッツ、レオ・レオニの影響です。細かな描写には向きませんが、構成を気軽に変化できるのが一番の魅力です。切り絵はエッジがシャープになるのと、仕上がった時にどこかぎこちなさが出る所が自分にしっくり来るのかもしれません。
今は線を入れたものが多くて、切り絵はひと休みという感じです。でもリクエストがあればもちろんやります。自分のベースにあるやり方なのでいつでもやれる気はしていますが、その際は新しく覚えた感覚も加えて、さらに前進したものに仕上げたいと思っています。


切り絵はたいていフラットな色面になることが多いと思いますが、デジタルでグラデーションなどを加えたことにより光や空気感がうまく表現されており、単なる切り絵を越えて深みが出ている気がします。色調も少ない色数でまとめてあって、少しノスタルジックな、鉄道の持つ旅や郷愁といったイメージを引き出すのに成功していると思います。

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