東京イラストレーターズ・ソサエティ - Tokyo Illustrators Society

タケウマさんの仕事「RED」(木内達朗)

2014.08.19

  • この仕事、好きだなぁ

十分にメディアが発達したこの時代において、インターネットに繋がる環境があれば世界中どこにいても出版社やデザイナー、海外と仕事ができるのです。メールで仕事依頼を受け、メールでデータを送ります。原画納品ももちろんありなのですが、最近は色調補正も自分自身でできる若手イラストレーターがたくさんでてきているように思います。最終形まで責任を持つことができれば、東京にいても地方にいても、海外でさえもそれはもう関係ないのでしょう。( 打合せだけがネックですが…。)


その中で今回注目したいのは、関西を中心に活動しているなりゆきサーカスというグループの、タケウマさんです。タケウマさんだけでなく、このグループのみなさんはとても個性的でいつも刺激を頂いています。

http://nariyuki-circus.com/

タケウマさんは、京都スケッチ部という団体の部長さん(?) でもあり、その活動をFBなどでよく見かけます。また、ご自身のブログ、Flickr、Behanceなどのツールを使いこなし、最近では海外メディアとの仕事も実現されたらしいです、素晴らしい。

地方に居ながらでもきちんとイラストレーターとして仕事ができる ということを体現している一人のように思います。


彼の膨大なスケッチからは、見るもの全てを彼のフィルターを通して表現したいという大きな意欲が伝わってきてとても感銘を受けます。絵と一緒に添えられた文章の文字でさえもオリジナリティが溢れ、ひとつのタイポグラフィのようでもあるし、鉛筆、ペン、オイルパステル、チョークなどといった多彩な画材を使いこなし、見ているだけで本当に楽しい気分にさせてもらっています。


https://www.flickr.com/photos/kyoto_sketch/


肉感的で人間味溢れるスケッチの表現とは違い、仕事の絵はいたってシンプルでコンセプチュアルでさえあります。 だまし絵のような手法や、押さえた色数、構図の工夫等、期待を裏切らない安定したクオリティだと思います。Mermaidや、サーカス、大脱走などといった一枚絵の表現もとてもいいのですが、家族団らんやHow to的ないわゆるよく求められるようなカットも一工夫されていてとてもよいと思います。 細部まで手を抜かないという仕事の姿勢はとても素晴らしい。


https://www.flickr.com/photos/studio-takeuma/

「RED」はオリジナルらしいですが、とても印象的な作品です。「バラに命を吹き込む」というとよくありがちなモチーフではありますが、タケウマさんの作品は少しどきっとさせられる。背景のブルーに合わせて生々しい血の色がよく生えているし、点滴とバラが直接チューブで繋がっている。バラの刺が妙にとんがっているし、切り口が鋭く斜めで、死んでいるのに生きている、美しいのに怖いという印象がとても濃い。このようなコンセプチュアルな作品をオリジナルで定期的に制作、発表しているのがタケウマさんの膨大なスケッチと同様に強い原動力なのかな、と思います。

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010