東京イラストレーターズ・ソサエティ - Tokyo Illustrators Society

牡丹靖佳さんの仕事「たまのりひめ」(村田善子)

2013.06.17

  • この仕事、好きだなぁ
『たまのりひめ』(「こどものとも年少版」2006年10月号)福音館書店(品切れ)
一目見て『好きだなあ』という感情より先に、『どうも引っかかるなあ、気になるなあ~、、、』 となる絵が、私にとって結局大好きな絵になっている事が多い。まさにそんな絵が牡丹靖佳さんの絵です。 初めて見てから7年程経ちますが、まだ『引っかかるなあ~気になるなあ~、、』の気持ちはやっぱり変わりません。

『たまのりひめ』(「こどものとも年少版」200610月号)福音館書店(品切れ)
たまのりひめが、ずらずらと おともを引き連れ歩いていく。旅してるのか散歩なのか、、目的地があるのか無いのか、、とにかく淡々と進む。見ていくと色々なカラクリがあったりヘンテコな事態になったり。でもひょうひょうと先へ行く。どうやら私はこのひょうひょうとした感じに心引かれているようです。これを子供が見たらどんな事を思うんだろう~全く想像できません。
本の内容もさる事ながら、絵の不思議さに引き込まれます。日本画のようにも見える瑞々しい色使いがページを開く度にパッと広がって、21㎝×21㎝の小さな絵本ですが十分な大きさを感じます。(中の絵をお見せできないのが残念です~)丸いお顔に三角の体というたまのりひめの容姿がまた爽快です。作者の牡丹さんの中にはずっと前から「たまのりひめ」のイメージがあって、それを形にしただけなのかも・・・と想像してしまう程、絵もお話も不思議だらけなのにスルスルと自然と体に馴染んでいく感じがあるように思うのです。
牡丹さんは現代美術のフィールドにいられますが、この絵本は初めて作られた絵本です。絵本は絵と違って時間の流れがあるという部分に着目して制作されたそうです。全力でぶつかって、なんだったら子供を打ち負かしてしまえ!くらいの熱さを持っての絵本作りだったと聞き、こちらも熱さみなぎりました!「たまのりひめ」のひょうひょうさの中には熱い気持ち詰まっています。また、絵本2作目「おうさまのおひっこし」が昨年福音館書店より出版されました。「たまのりひめ」の孫のお話です。気になった方は、是非!!!!

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