東京イラストレーターズ・ソサエティ - Tokyo Illustrators Society

都築まゆ美さんの仕事「最後の贈り物」(木内達朗)

2013.05.14

  • この仕事、好きだなぁ

都築さんは作品の質感をとても大切にされる方で、一度手描きしたものをスキャンして出力し、わざと劣化させたものをコラージュなどの手法で完成させていくというスタイルの持ち主です。完成作品はデジタルですが、あらかじめCMYKそれぞれの版を手描きで用意、後にフォトショップで合成するそうです。

イラストレーションの仕事の他にも鹿をモチーフにしたファブリック・トロフィーなどの作品を国内外で発表するなど、アーティストとしてもご活躍されています。


http://www.mayumi-tsuzuki.com/


以前、ギャラリーハウスMAYAで家族の肖像ばかりを描いた個展にお邪魔させて頂いたことがあるのですが、その時感じたのは、家族というあたりまえに親密で親しい間柄であっても、その距離感の表現が絶妙だということです。


この装画も、この人達は家族なのか一族なのか、あるいは会社のような組織のようなものかわかりませんが、独特の空気と距離を感じます。壁の緑、絨毯の赤という補色が効果的に使われていて、表一中央の人物にスポットライトが当たっていたり、効果的な陰影の描写がミステリアスなムードの醸成に一役買っている点も見逃せません。計算された版ズレの処理、人物のデフォルメなど細やかな仕事は一見しただけでも惹きつけられます。人物の表情や配置、表四に描かれた二人の人物もなにか意味ありげですね。

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